スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

やおびぷ

やはりな
おまえのしわざだったか
びしゃもんてん!
ぷりん

炒飯(3)(連載)

「俺がうざくなったんじゃねえの?」
なあ、と備府はさらに詰め寄る。
「そうじゃないよ備府、あれはただもったいないと思って」
備府はかぶりを振った。
「面倒になったんならそう言ってくれよ。自分でもわかってるし」
もうあれだよな、こんなこと言ってる時点でめんどくさいもんな。
備府は無理矢理笑うと体を引いた。
「備府」
頬を摘んだ。相変わらず素晴らしい、と矢追は思った。
「そんなトンデモ解釈されるとは思わなかったなあ」
苦笑いすると備府は揺れるまなざしで矢追の口元に注視している。いくらかの気恥ずかしさを覚えながら矢追は言葉を選んだ。
「僕はね、備府と話してるとすごく楽しいし、備府と友達になれてよかったと思ってるわけ。」
頬を揉みながら続ける。いつもなら振り払うところだが今回は話しに気を取られているのかそれがない。
「友達に紹介したいし、他の友達といるときに備府もここにいたらいいのに、と思うことがよくある。本当は毎日だって会いたいくらいだよ。備府こそ僕のことうっとうしいんじゃない?」
「……」
「どうしたの?あ、わかった、鯉の物真似でしょ」
「おっ、おま、よくも、あー腹立つしれっとしやがって」
「何が?毎日会い」
「俺が悪かった!悪かったから!」
体を捩って備府は逃げた。
「ひどいなお前。そんなこと言う奴は俺は信用しない」
むやみに唐揚げにレモンを絞る備府の耳は赤い。

「俺だってその気になれば友達くらいつくれるからな」
「うんうん」
「お前は知らないだろうけどさっきメアドゲットしたから。男のだけど。友達百人とか余裕だし」
「見てた見てた」
「なんで見てるんだよ!きもっ」
「んふふ」
「きもっ」
「そういえば備府はこっちより向こうの駅のほうが近いんじゃないの」
「……知ってる」
「ほう」
「……知ってるし」
「なるほど」
「あー……泊めてください」
「いいよ」

「これ染み落ちるかな……」
歯ブラシで叩き出すのが有効だろうか。生地が傷みはしまいか。
洗面所でハンカチを広げて矢追は腕組みをした。
備府はシャワーを浴びるなりベッドに潜り込んでしまった。
酔ってくれてよかった、と思ったがもちろん口には出さない。
酒で口が軽くなったからこそ矢追は備府の誤解を解くことができたのだろう。
何も言わずに矢追を遠ざけていく備府の姿を想像しかけて消す。ぞっとしない。
明日ハンカチをクリーニングに出さなければ。
部屋に戻ると備府は軽いいびきをかいていた。ひょろっとした手足は無造作に投げ出され、掛布団からはみ出している。
さて、自分はどうやって寝ようか。矢追にとって、それは悪くない悩みだった。

魔界都市〈新宿〉シリーズ

って一体何冊出てるんだろう
少なくとも二十冊は読んだ気がするんだが
エログロに気を取られてスルーしていたのですが、そういえばメフィストはせつらのことが好きなんですよね
腐女子の方に人気はあったのでしょうか
まあそれはともかく「菊地秀行作品はライトノベルである」という論旨の文を読んだのですが、「ライトノベルとは何か」というのがいまいち読み取れなかったのでもやもやします
「そんなお堅いもんじゃないんだよ!気軽に読んでね!」という「ライト」なのかなと個人的には捉えています
漫画やアニメの表現方法を前提としているものが増えて来ているなあとも感じます
「スレイヤーズ」を初めて読んだ時の「ちゅどーん」の一語で爆発を表現した驚きは今も鮮明です
キャラと作者が対談する後書きも懐かしいです
どらぐすれいぶの呪文まだ覚えてることに気付いた

なんか懐かしい記事になったな
明日小説上げます

たこ焼き等板を見学

してまいりました

名無しは「はふはふ名無しさん」でしたが、当初は「くいだおれ名無しさん」だったようです
一番勢いのあるスレはIDにtakoを出すスレでした
過疎板です

完全に板名に釣られました
粉もの全般ということらしいですね
「たこ焼き等」ってなんとも言えないやるせなさを感じます
そんなたこ焼き等板最古のスレは

もんじゃ(643)

……

しかもスレ立ては2001年

正直なめてましたすんませんした
まじぱねぇっすたこ焼き等板さん

擬人化のハードルめっさ高い
たこ焼きマントマンしか頭に浮かばない
一時間あがいてらんまにぶんのいちのうっちゃん

自分の無力さを思い知った

炒飯2(連載)

不味い酒だった。談笑していてもどこか上の空で、神経は離れて座った備府に向いている。
矢追はスルメをむしって口にほうり込んだ。むやみに噛み締める。
雑多な音は耳をすり抜けていく。

思ってもいないことを言ったわけではない。いつも思っていたことだからこそ洩らしてしまったと考えるべきだった。
備府が人付き合いを苦手なことはわかっている。
どこかそれをもったいないと思っているのかも知れなかった。
手元の悪いジョッキから滴が落ちて膝を濡らした。
「備府君、顔真っ赤だよ。大丈夫?」
さして大きな声でもないのにはっきりと聞こえた。備府はそれなりに楽しく飲んでいるようだ。
ほら、少し勇気を出せばなんてことないじゃないか。別に自分がいなくたって友人をつくることもできるだろう。そのうち自分より仲のいい友達だってつくるかも知れない。
ジョッキを呷り卓に置く。メニューを引き寄せた時に醤油の入った小皿をひっくり返した。
「うわっ」
醤油は見事に矢追のジーンズに地図をつくる。
「きゃー大変」
隣りに座っていた女子が店員におしぼりを頼んでくれる。
「ありがとう」
「さっきからボケッとし過ぎじゃないの」
ハンカチを取り出して拭きにかかった手を矢追は掴んで止めた。小さく柔らかな手がぴくりと動いた。
「いいよ、ハンカチが汚れる」
「ハンカチなんて汚すもんでしょう、早くしないと広がっちゃうよ」
彼女は気にした様子もなく矢追の太腿に可憐な布を押し付け、まだ持っているのだとポケットを叩いた。
「洗って返すよ」
「気にしないで」
捨てちゃっていいよ、となんでもないことのように言う。
「そういうわけにはいかないよ」
「彼女さんに悪いもん」
矢追は身構えた。
「いや、別に彼女はいないけど……」
「え?でもさっき」
彼女の後ろに誰かが立った。見上げると備府だった。無表情で見下ろされるのはあまりいい気持ちがしない。
「備府」
呼ぶと備府はぐらついた。足元がおぼつかない様子で、両手を座敷に付くと膝でいざり寄ってくる。
「何お前彼女いんの」
微妙に呂律が回っていない。
「いないよ、知ってるでしょ」
「これからつくんのか」
「つくろうとするものでもないんじゃないかな」
「つかお前醤油臭い」
膝が当たるほどそばに座り、備府はねめつけてくる。
「こぼしちゃったんだよ」
「はい、おしぼり」
「ありがとう、助かる」
「じゃあわたしはちょっとあっちに行ってくるね」
ひらひらと手を振り彼女は去って行く。悪いことをした。恐らく彼女がいるかどうか聞かれたときに生返事したのだろう。自己嫌悪しながらおしぼりで染みをこする。
「矢追、彼女つくんの?」
「何、さっきから」
「俺と縁切りたい?」
「何馬鹿なこと、」
憤慨して備府をにらむ。備府は真剣な、というより据わった目をしていた。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2010年09月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30