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水族館(2)(連載)

「嫌だ」
「どうして?」
「水族館とか……リア充のすくつじゃねえか」
「本を受け取りに行くだけだよ。裏から入ってすぐ帰るし」
「それでもやだ」
「じゃあ僕とデートするつもりで行こうよ」
「じゃあじゃねえよつぶれろ」
「機嫌悪いねえ」
備府と矢追の押し問答を横目に来野はレポートを作成していた。堂仁は貧乏揺すりしながら何か書いている。
「堂仁顔怖い」
「あ?」
目が合うと来野は息を吸い込んだ。
まずい、と思い下を向いて眉間を揉む。
「オ、オレの知ってる堂仁はそんなヤンキーみたいな奴じゃない!もっとこうなんていうか根暗な変態でなおかつ「いい度胸だ」

堂仁は自分自身を扱いかねていた。
『ふ、二人でか?俺サークルには入る気ねえぞ』
警戒心をあらわに備府はたずねる。
『矢追抜きじゃ嫌か』
微妙にねじ曲げた返答をし、にやりと笑うと備府はまんまと食いついた。
『ふざけんなよ!人をガキみたいに言うな』
『サークルは関係ない。次のイベントで売る』
『ま、まじか』
『ああ』
『まじか……』
『まじだ』
『お前俺のこと嫌いなんだろ?意味分からん……なんか企んでねえだろうな』
『無理ならいい』
『……か、考えとく』
混乱しているのだろう。とにかく一人になりたいと顔に書いてある。
『そうか』
『よ、よし!俺はもう行くからな!……あれ?ド、ドアが開かねえ』
『……』
必死に扉を押す備府をのけて堂仁はドアノブを引いた。あっさりと階段が現れる。
『……』
『……』
転げ落ちるように駆けて行く備府を見送り、堂仁は形容しがたい顔をした。

「矢追くんに『何言ってんだこいつ』って目で見られちゃった」
雲英は頬杖をつき、書類をつまらなさそうにめくる。
「そうですか」
「備府くんに穴が開いたら大変だと思ったんだけどねえ」
読み終えた紙束にサインと判をして放る。
「そうですか」
「岡くん私の話聞いてる?」
岡は端末に肘まで突っ込んで何かしている。
「聞いてません」
「ふーん、そういうこと言うの?……そうだ、水族館に二人を行かせることにしたよ」
「まだ早いんじゃないですか」
「やっぱり実地から学ぶことは多いと思うんだ」
「そうですか」
「あ、聞いてないでしょ」
「聞いてます」
「近い内に第五書庫の虫干ししてね」
「聞いてません」

「そうか、そんなに嫌なら仕方ないね」
矢追がため息をつく。
「僕一人で何とかするよ」

カップル板を見学

してまいりました

名無しは「恋人は名無しさん」、一番勢いのあるスレは修羅場スレでした

恋人の寝言を書き込むスレが面白かったです
板の特徴は経験談が主なところだと思います
書き込みで性別がはっきりわかるのが印象的でした
板によって空気が違うことをひしひしと感じますね

擬人化は順当にカップルです
ぼーっとしたオープンすけべと感情表現激しいむっつりすけべの組合せとか楽しいと思います
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