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導火(終)

腹を抉るような地響の後、矢追の指す先に巨大な亀が現われた。
巨大プリンから突出した前足がメリメリと火口を押し開き、長い首を天に向かって振るう。
「……そうそう、あれぐらいの大きさ」
備府の喉がひゅうと鳴った。

火の鳥が急降下し、亀の目を突こうとする。亀は避ける素振りも見せず、十分引きつけてから口を開けると何かを噴出した。奔流は直撃し、ぐらついた鳥の翼を亀の鉤爪が捕らえる。
雨が強さを増す。
嘴から苦悶が迸る。高く澄み切った音はすぐに消えた。鳴き声だけでなく、全ての音が消える。
自分の声も聞こえない。
巨鳥の喉に亀は食らい付いた。そのまま引きずり下ろし、瓦礫の中に消えていく。
水煙はなかなか止まず、二人は被食者のように身を寄せあってただ待っている。
風が吹き始めたようだった。
周りのロボットは運動を止めている。スタンバイランプも消えていた。眠ったような沈黙が広がっている。
今さら震える膝を叱咤しながら立ち上がる。備府の声が聞こえない。
『聞こえない』と声をだす。しかしその声は自分の耳に届かない。ぼんやりと遠くで唸るように響くだけだ。備府の唇は『俺も』と動く。
『帰ろう』『おう』『……好きだよ』『あ?』『備府』『なんだよ』
備府の目を塞ぐ。抱きすくめ、こそ泥のように耳に息ごと吹き込んだ。
腕の中で硬直していた体が急に暴れ出す。
慌てた備府の視線の先に、うっすらと残る靄にたゆたうような美貌が見えた。
『岡さん』
彼はいつものように笑うと耳栓を外した。
『おつかれさま』と艶やかな唇が形取る。
その手には本があった。本には水と書いてあった。今では火の文字が加わっている。

夢・独り言板を見学

名無しは「夢見る名無しさん」、スレは717あり、一番勢いのあるスレは言いたいことだけ言って立ち去るスレッドです

一人のコテが日記として占有しているスレがズラッと並んでいて、独特な雰囲気でした
雑談スレではお互いの情報が共有されているようで、2ちゃんというよりチャットのような感じですね
より個人がはっきりしています

ふと思ったんですが怖いコピペで「ここにいるよ^^」ってやつがありますよね
もしひっそり何年も2ちゃん上で日記を書いていたとして、自分は一人ぼっちだと愚痴った途端にこんな書き込みがあったら怖すぎて二度と2ちゃんを開けないと思います
日記スレは「誰でも書き込めるのにその人しか書き込まない」っていうのがブログとは違った趣があるような気がしますね
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