今では縁遠くなった友人に、異様なほど猫に好かれる人がいました
彼女自身も猫を飼っていたことが関係あるのかどうか、二人で外を歩くと猫がついてくることもしょっちゅうでした

中学校に入る前の春休みだったと思いますが、土手っぺりを徘徊していた私は眼下の神社の階段に座っている彼女を見つけました
心ここにあらずといったふうに適当な手つきで足下の三毛猫を撫でています
彼女の後ろから体をこすりつけながら斑猫が現れたのを皮切りに、どこから湧いたのか両手足の指では足りないほどの猫が撫でられるために押し合いへし合いしていました
しばらくして猫は波が引くように一斉に神社の境内に向かい、彼女も立ち上がってそれに続きました

私は見なかったことにしました