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金、ホモ、フレンズ(BL注意)@三題噺


僕たちが住んでいるこの街は悪い意味でとても有名だ、金や暴力、セックスという人間の薄汚い三大欲求に埋もれている。それだけじゃない、人間は誰しも心の中に罪を飼っているという話を聞いたことはあるか。飼い慣らしもしない凶暴な本能を現実世界に解き放っているのだ。信じられるだろうか。感情の赴くままに誰かを殺し、誰かを犯し、そんな残忍で残酷な狂気の沙汰とも言える地獄絵図が映画のワンシーンかのように僕の目前でただ繰り広げられるんだ。正気を保っていられる人間などいる方がおかしいのだ。そう、これはそんな狂いに狂った小さな街で起こった僕の恋愛物語だ。こんな話の冒頭でなにが純愛だと君は感じただろう、よしてくれわかりやすい思考回路は何にも面白くないし、僕の興味も生まれない。正直、君の意見なんて僕は聞く耳さえ持たないけど、僕への惚気話には全神経を向けて欲しいんだ。ワガママでごめんよ。さて、それじゃ、僕の初恋相手について語っていくことにしよう。ここではAと表記させて頂くね。Aとの出会いは、フレンズという名のホモバーだった。店内はピンクのネオンで雰囲気が醸し出されていて女の姿なんて一人も居やしないのに、妙にイヤらしくて不思議と興奮していくのが分かったよ。初めての場所で緊張もあったんだろう。僕は扉近くの椅子に腰をかけたんだ。お酒なんて普段飲まないから水を注文した覚えがあるよ。ただただ店内の雰囲気に圧倒されて、誰かと会話をすることなく水をグビグビ飲んでいたんだ。そんな様子がおかしかったのか。誰かが僕におかしそうにケタケタ笑いながら話しかけてくれたんだ。

「そんなに喉が渇いていたのか?」

こんな店内にはあんまりそぐわなさそうな落ち着いた髪色をした青年が僕を笑っていた。それがAとの出会いだった。自然なそぶりで僕の隣に座り、

「初めまして、俺の名前は」

慣れたように自己紹介をしてくれるAからはとてもいい匂いがした。低すぎず高すぎず絶妙な声色が緊張の糸を解いていってくれるようなそんな錯覚に陥った。

「ここに来るのは初めて?」

優しい声音で話しかけてくれるAにすっかりほだされた僕は意気揚々と会話に参加してしまった。Aとの会話はテンポが良く、いつの間にか自然に笑い声が店内に響いてしまっていた。時間はあっという間に過ぎていき、別れの時間が刻一刻迫る中、名残惜しい僕はつい言葉を漏らした。

「また君に会えるかな。」

僕のその言葉に素っ頓狂な表情を表したAがにこやかに笑いながらこう言った。

「勿論だとも。俺も君に会いたいよ、そうだ。この後時間ある?」

今度は僕が驚いた表情をする番だ。突然の誘いだった。一瞬で恋に落ちた僕がこれを断る理由なんて勿論ない。二つ返事で了承し、金を払い僕とAは肩を組んで店を出た。

外はすっかり暗くなっていた。街灯があまりない暗がりな道は誰かを引きずり込もうとそっと息を潜めている。そういえば、最近連続殺人事件が頻発しているらしいな、とふと脳裏に思い浮かんだ。この街のニュースじゃない。ヨソの街の、まだこことは違う平和ボケしている街の、だ。この街じゃ誰も殺しなんて囃し立てない。ただの日常の片鱗が見えただけの事さ。ーー告白しよう、正直言うと僕はこんなトチ狂った街の生まれじゃない。両親が死んで住む家を失った僕が人としてのライフラインを維持できるのはここしかなかったのだ。住み始めて数ヶ月、慌ただしく僕の生活は歯車のように動き出し、徐々に慣れてしまっていた。今となっては僕もこの街の一部というワケさ。皮肉な話だろう。

「あのさ」

Aの言葉にふいに意識を思考回路から現実に戻された。頬を指先でポリ、と掻いて何かをいいあぐねているAに僕は首を傾げて「どうしたの?」と質問をする。そうするとAは、戸惑いの表情を浮かべながら話し出してくれた。

「君は俺のことを好いてくれているだろう。俺も君が好きだ。だから告白する、実は」

うん、と静かに頷く僕に君は言葉を吐露する。

「俺はゼノフィリアなんだ」
「ぜの…、なに?」
「ゼノフィリア」
「ごめん、Aが何を言っているのか僕には理解できな」

瞬間、僕の視界が反転した。冷たい無機質なコンクリートに僕は押し倒された。Aの顔が僕のすぐ顔近くにあり、その息はとても荒い。先ほどの和気藹々とした空気など微塵のカケラもなかった。そして、骨太なAの手のひらが僕の首元へ移動し絞め始めたのだ。状況をまるで理解できない僕はまるで牙を剥いた子猫のようにジタバタと暴れるがまるで意味を成さない。ふと、気道を解放された僕は勢いよく咳き込みながら体をくの字に曲げながらAを見上げると、Aは恍惚な表情を浮かべていた。

「A…?」

そしてAは自身のベルトに手をかけた。

それ以降の記憶はない。目がさめると僕はお天道様の下、コンクリートを背に一夜を過ごしてしまった。けだるく重たい体を引きずりながら今日も今日とて喧騒で騒がしい町並みをBGMにして、帰路につく。何があったのか詳細を思い出そうとするだけで頭痛がしたが、Aのあの表情が脳裏に焼き付いて離れない。あの、僕に対するイヤラシイ目つき。ああ、ああ、とても"ゾクゾクした"

これが僕のいう初恋物語だ。どうだろう、とても純愛だろう。あれからというもののAとは連絡が取れないし、フレンズという店も営業自体やっていない。狐につままれた気分だ。だけど、僕の中の本能を呼び起こされたようなそんな錯覚にも陥る。僕の中にも飼っていたのだろうな。それを。そんな思考に行き着く僕はすっかりこの街の住人とも言えようか。





無題


眠れない夜と言うか眠らないといけない夜に、つまらんことをたくさん頭に思い浮かべて自ら眠れなくする行為に名前をつけるとしたら何になるんだろう。学生時代によく読んでいた創作サイト様々がこぞって閉店ガラガラピシャンってしててて時間の変化を痛感してる。あの人が書いた作品をもう一度読みたいってふと思うことがあって、書籍化しているものはそれらの気持ちをあらわす為にあるのかもしれないな〜。読みたい欲と書きたい欲ってのは全くの別物で、私の世界と他人の世界はやっぱり全然違うくて、それがまたツボを押してくるの気持ちくて好きなん。

あんまりリアルのことは書きたくないし、なるべく控えるようにしているんやけど。期待されればされるほど、頑張ろうなんて前向きな気持ちは生まれなくて、どんどん後退していくばかりで、大きな挫折も苦難もなんにも知らないくせに、ちっさなことでもういやだって弱音吐くのやめたいねつって。頑張るってなんなん、って思っちゃうんよね。主観的にどれだけ自分を肯定しても、それが他人からの評価に繋がらなきゃ努力と認められない。大切な人から送られた言葉に「君は君で頑張ってるんでしょ」って言われたことがあって胸が熱くなったことを覚えているんやけど、結局それも周囲からの言葉でやっとって感じ。素直に自己肯定さえも許されない世界なんて、って言い出したところでキリもないんやけどナ(笑)こんな文章、二十歳越えのオンナが書いてるんだぜ。信じられるかつって吐き捨てるんや。

とりあえずなんかもう考えるのしんどくなってきたってため息ついてこれ何回目やねん(笑)

長編大作は飽きるから、リハビリ程度になんかまたお話書きたいな。何年のブランクやろか。書きたいものも特にないし、三題噺でごまかそかな。

無題

先日、父親が死んだ。そんな訃報が私の耳に流れ込んできた所で、死を哀しむ感情もそれを労わる言葉も見つからない。孤独に耐え切れずの首吊り自殺だったらしい。さぞ、苦しかっただろうなんて考える私は親不孝者だろうか。

私たち家族は母の浮気が原因で離婚した。母さんは父の亭主関白な態度に耐え切れなかったらしい。それを知った上での愛を誓い合った結婚じゃないのかと頭を悩ませるばかりだが、そう…何のことない所謂"授かり婚"である。計画性のないセックスはいずれ破滅を導かせただけの愚かな男と女のハナシ。

無題

個人的な世界観としては
魔法があるということ、馬車があるということ、軍があるということ、殺し合いがあるということ、武器の扱いに手慣れている、戦いがある。

携帯電話などの現代ものはなし。


カルネ イタリア語で肉

2016/05/28 無題


夜の街は世界を変えるとよく耳にするが、私もそう考える一人なのだと思う。太陽がサンサンと輝いている午前中の暖かさは私にとって苦手以外の何者でもなく、又自己の矮小さが曝け出されているような嫌な感覚に陥るが夜はそんな私をひたむき隠し続けてくれている、そんな気がする。

シン、と静まり返った閑静な住宅街の静寂を切り裂くようにけたたましく救急のサイレンが鳴り響き、それは死神のやうに人々の命を奪おうと迎えにゆくのだ。救いにゆくのではない、殺めようとするのだ。

「キミ、毎日そんなコト考えているの?」

そうして私の意識は彼の言葉によって現実にログインされた。窓の縁に身体を投げ出し、イヤフォンからは心地よい好きな楽曲が流れていてそれなりに非現実的なことを空想し浸っていた私を彼は強制的に現実世界へと引き入れたのだ、全く空気の読めないヤツは嫌いである。

「そんなことって…アルゴモアだって世界が破滅するかもしれない、っていう予言だって現に残していたんだし、救急車だってほんとうは霊柩車かもしれない。姿形が変わっているだけで本質は一緒だと思っても不思議じゃないでしょ、太陽と月みたいなもんじゃん。」

「アルゴモアの世界破滅がどうして救急車が霊柩車の本質へと変わるのか僕にはワケがわからないんだけど…、なんの証明にもなってないよ。」
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