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パクチーが溶けた

安かったからパクチーとシソの苗を買って庭に植えたんだけど土が合わなかったようだ
シソはとても元気

あっつい

パソコン置いてるのが一軒家の階段を上りきった廊下(3階)なんだけど、下から熱気がどんどん上ってくるから今日すでに30℃近い
パソコン愛護協会に捕まるかもしれない

生姜湯美味しい

最近の気温の変化に耐えられなかったのか、食費削って映画(特にキンプリ)観てたのがわざわいしたのか発熱している
それほどつらくはないけど休むことにした

今年も

よろしくお願いいたします!

26日だけど夜が明けてないからセーフ

「矢追、俺が今欲しがってる物なんだかわかるか」
「なんだろう」
「椅子」
「キス?」
「椅子。車みたいな値段の椅子」
漫画家は腰が資本だろうが、と備府が睨み上げる。
その三白眼がいとおしい。


矢追は修羅場を乗り越え放心状態だった。
萌えと恋は稲妻である。秋クールで衝撃的な出会いを果たした推しキャラ突発本発行、のみならずアンソロへの寄稿、公式コラボイベント参加、ピクシブにTwitter。
睡眠時間を削りに削り、極道入稿を終えてスカスカになった彼の脳は、すでに冬コミの計画を捏ね回している。
矢追のクリスマスは原稿上で一度終了してしまっていた。
「家に行っていいか」との電話にイエスと答えた瞬間に玄関が開き、チキンとケーキを抱えた備府が現れるまで、本当にきれいさっぱり忘れていたのだった。

ごめん、忘れてた、プレゼントも用意してない、ほんとごめん、なにそれおいしそう、ごめんね備府。
矢追は食事の支度を始めた備府の周りをうろつきながら謝罪を繰り返したが、
備府に気にした様子はなかった。備府は備府で、何か気がかりなことがあるらしい。

20時にはこたつの上がいっぱいになった。スパークリングワイン、フライパンで焼いたピザ、ビーフシチュー、バゲット、サラダ、チキン。
ケーキの前に小休止を挟む。
「明日プレゼント一緒に買いに行こう、何か欲しいものある?」
矢追は躍起になって言うが、備府の機嫌はすこぶる良かった。
「いや、いいって。クリスマスっぽいことしたかったんだ」
「リア充っぽく?」
「そう、それ」
「ぽくしなくてもリア充なのに」
「いいだろべつに。つーか…………こ、つ、付き合ってる相手がクリスマス忘れててもリア充になんの?」
ケーキを見る備府があんまり満足げなので、矢追は落ち着かない。

ケーキを二人でつつき、後片付けが終わると矢追を強烈な眠気が襲った。
「寝るなよ」
と備府が少し慌てたように言う。
「寝てないよ」
と返す矢追のまぶたは降りっぱなしだ。
備府の手が矢追の髪を撫で、耳をたどり、頬を摘まんでから離れていく。
その動きがいつかの自分をトレースしたものであることに気付き、矢追の意識は急速に浮上した。
「おきろよー、ねるなー」
繰り返し呼び掛けてくるものの、声は柔らかく、揺り動かすこともしない。
顔が見たくなりゆっくりと目を開けると、備府は照れたように横を向いた。
「起きたよ」
「おう」
「徹夜続きだったから」
「…………布団で寝ろよ」
「備府は?」
「うん」

これはまさか、と思いながら、手早く寝る支度をする。
ベッド脇に突っ立っている備府を両足で挟んでひきたおし、そのままの状態でたずねた。
「リア充っぽいこと、もうひとつあったね 」
からめられた足を解こうとしながら備府は笑った。
「無理すんな」
「せっかくの準備が無駄になっちゃう」
備府の動きが止まる。
「え?わかんの?」
矢追の動きも止まった。次の瞬間跳ね起きて備府にのし掛かる。
「うっわ、矢追お前、目の充血やばいよ」
やっぱり寝るか、と言った備府の顔が微かに緊張する。
「準備してたんだ」
「顔がやばいぞお前」
「ネットに小悪魔講座とかあるの?餌をひらつかせてスッと引くの?備府大人だあ、おっとなー」
「いや意味わかんない、あと手首痛い」
「備府、俺がんばるから。もう今までになくめくるめくる夜を」
「噛んでんじゃん」
「めくる。シャツを」
「しょーもなっ。普通でいいから」
早くしろ、と言われて矢追は決めた。
リア充の極み、6時間耐久試合に挑戦することを。


「備府ごめん、ちょっと交代して」
動きを止めると唸りながら備府が揺れだす。おぼつかない動きは恥じらいではなく疲れのせいらしい。いじらしいが物足りない。
こうでしょ、と腰を押し込むと備府の喉がぐうと鳴った。
「もう、無理、だって、」
「まだ、いける、でしょ」
なんちゃらの6時間をエンジョイしよう、と矢追は笑いかけるが、笑顔をつくれているかいまいち自信が持てなかった。
切れ切れの罵倒とすすり泣きは、細く長く明け方まで続いた。

終わり
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