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(前略)グローバル化が進むにつれて、各国経済がグローバル経済全体の動向に強く影響されるようになります。いくぶん極端にいえば、
労働者の雇用も賃金も、世界経済のマクロ環境の変化をよって振り回されるのです。
エコノミストのなかには、若者の就職難を『自己責任』として片付ける向きもあります。確かにそうした面はあるといえますが、必ずしも『自己責任』では片付けられない問題もあります。例えば、リーマン・ショックのあと、就職を希望する多くの若者が就職市場から閉め出されました。これは若者の『自己責任』と片付けることはできません。その少し前までは、同じような能力の持ち主でも、たまたま好景気だったために就職できていたからです。
こうした不満は、公正を求める人間本性と深く関係しています。正当な理由のある不平等、例えばまったく同じルールで争ったうえで勝ち負けがつくといった場合には、それほど大きな不満は生じません。しかし、不公平なルールで生じた勝ち負けには、簡単に納得できないものです。なぜ生まれた年次が少し違うだけで、自分たちの世代だけが厳しい目にあわなければならないのか。この厳しい就職難の時代に、そうした不満が若年層につのるのも無理はありません。