ジャンルは敢えて書かないです。誰でもパロって当てはめて。
べ、別にさっき見たテレビの影響じゃないんだからね!!そのままとかじゃないんだからね!!
外国の記者さんのフットワークパネェ。
ちょっとグロい表現が通りますよ。
2000年、8月某日。
テープレコーダーに録音されていた会話。
『この度はお時間を頂き、有難う御座います。始めてですね、こうして会うのは』
『ええ…、色々と此方も厳しいようで。お手紙の方は検閲をくぐったものは読ませて頂きました。私も貴男にお会いしたかったです』
『…早速ですが、ご質問宜しいでしょうか?』
『ええ、どうぞ。僕も言いたい事が沢山あるので』
『では、この度の事件、無差別連続殺人事件を起こした本当の理由を教えて欲しいのですが』
『裁判の時、お話ししましたよ。苛々して、憂さ晴らしの為に僕は犯行を続けたのです』
『男女無差別に、乱暴をするつもりも無く、持ち物にも手をつけず、ただひたすら残虐に罪の無い方々の命を、奪って来たのですか?』
『嘘です』
『…嘘?』
『僕は犯行時、本当は苛々なんてしていません。酷く興奮しているのです。意識が無くなる程に。街に出て、気が付けば被害者が転がっているのです。最初の内は驚きましたよ。それに僕はやってないと思ってましたね』
『それが事件発生最初の警察への通報の真実ですか』
『はい。でも次からちゃんと自分でやったと解りました。二度目でしたから。そこから先は隠蔽工作の始まりです』
『突発的な感情で事件を起こしていた?』
『はい。だって毎回気付いたらナイフ片手に死体の前でしたから。本当、直ぐに捕まらなかったのは謎ですよ』
『私の見解を言いますと、貴男は無意識に人気の無い場所、時間に行ってバレないように犯行を繰り返している気がします。それに、ただ街を歩くのにナイフが必要でしょうか?貴男は殺意を持って街に出ていたのではないでしょうか?』
『嫌だなぁ。刑事さんみたいな事を言う』
『…申し訳ありません』
『仕方ありませんよ。お仕事ですから。さぁ、続きを』
『では、何故貴男は裁判で本当の事を言わなかったのですか?』
『…言いたくなかったんです。どうしても。でも、やっと決心がつきました。記者さん。貴方は僕の経歴を御存知でしょう?。いえ、皆さん、知っている筈です。きっと、散々報道された筈ですから』
『…×××作戦に参加した数少ない生存兵。●●●戦争にも出兵し、名を残した英雄』
『ねえ、記者さん。記者さんは街中を歩いて恐怖を感じた事はありませんか?誰かが自分の命を奪うのでは無いかと言う恐怖が。街中の光の反射がスナイパーのスコープの光だと思って、時々心臓を締め上げられるんです。日常的に命を奪い奪われる。僕等はそんな場所に居ました。その恐怖は今も抜けず、僕は護身用にナイフを持って街に出るのです。貴方に解りますか?見えない所から殺意を向けられと言う恐怖が。気を抜けば死ぬのは自分なのです』
『(記者無言。暫く間が開く)』
『記者さん。戦争とは無情なものです。僕は生きる為に友を盾と使い、その屍から装備を奪い、また、仲間の腸を噛み、生き延びて来ました。誰も戦争で死にたいなど、思う人は居ないのです。僕には守りたいものがあった。だから自ら志願し戦地に赴いた。僕は英雄に、殺戮者になりたかった訳じゃない。誇りや愛国心で銃を取った訳じゃない。ただただ平凡な理由で人殺しになる事を決めたのです。必死に生きました。その為に殺し、見捨てて来ました。僕が殺した人にも守りたいものがあったかもしれない。無理に戦わされているだけだったのかもしれない。けれど僕は僕の守りたいもの、そう。祖国で平和に暮らしたいが為に引き金を引き続けたのです。しかし、どうしでしょう?戦争が終わり戻った僕達に居場所はありませんでした。戦争が終わって僕は兵士を辞めました。辞めざる得なかったのです。理由はお分かりですよね、あの作戦は失敗し、折角生き延びた僕等は責任を取らされました。気を取り直し社会に出てみればそこに僕の居場所はありませんでした。戦争の無い街に出ても銃口と殺意に怯え、連日悪夢やフラッシュバックに悩まされる。戦争とは酷いものです。本当に酷いものです。全てを奪って行く。僕はまだマシな方で●●戦争で英雄と呼ばれてましたからね、街に出れば時々羨望の眼差しで見られましたよ。ただの人殺しに何故、あんな目を向けられるのか疑問ですよ。上げられ名声に比べれば、未来を無理矢理閉ざされた者達は数字でしか表されない。今回の事件だってそう。事件に無関係の人々は刺激を求め、殺人者の名を語る。バカな人達だ。次に数字となるのは自分かもしれないのに、だから、そう。最初に殺した子供に教えてあげたんだ。身を持って。あのキラキラ輝いてた目が恐怖に変わる瞬間は見物だった…!!』
『それが、貴男の本当の姿、本当の犯行理由…』
『そう。記者さん。ちゃんと記事を書いて、あのバカ共に教えて上げてね。対岸の火事なんて存在しないと言う事を!!牢屋から完成を楽しみにしているよ。貴方ならちゃんとした記事を書けると信じてるよ。ね、記者さん』
担当記者はこの取材後、暫く体調を崩し休暇を取った。
暫くし仕事場に復帰した彼は、私の記事にするのかと言う質問に曖昧に笑っただけであった。