話題:手を繋ぐ
くろださんの去ってしまう日
コインランドリーでシーツを乾燥させる間、小さな川のそばを散歩して
春には美しかった桜も葉を落とし、名も知らぬ鳥が止まって鳴いているのを見上げ
煙草をくゆらすくろださんを眺めたり、目をそらしたり
やがて雲から這い出た太陽が小川を照らし、きらきらと光りはじめた水面をふたりで見ていた
きれいだね
コインランドリーへの道すがら
自然なことのように手を取るくろださん、離しも握りもしないでいるうちに、恋人つなぎになって、急に恥ずかしくなり、
恥ずかしいよ、と振りほどいた
傷つけたかな
今更かな
きっと君には指先が寒そうに見えたんだよね
君の行動はいつでも突拍子なくて、何を考えているのか想像もつかないよ
話題:素直な気持ち
一緒に暮らしていると、自然と距離が縮まる
行ってらっしゃいのハグをしてくれたり、眠る前に急に頭を撫でに来たり、マッサージしてくれたり
ドライヤーしてあげたり
ふれることを目的としていないように装って、どれだけ肌に、やわらかい髪に欲望をぶつけたのか
愛や思いやりを持ってふれることと、欲望の熱を宿してふれること、やっぱりちがいは分かるのかな
かわいらしい、と最後の夜に抱き寄せてそのことばを届けてくれたこと、素直にうれしかった
いい表情をしますね、靴下がお洒落ですね、意外と俗なところありますね、やっぱり好きです、麦が好きだ、
こんなにもたくさんのことばをくれたこと、わたしは本当にびっくりして、君は本当にくろださんなのかと疑いそうだった
ありがとう